平成27年(2015年)から最新の2025年(令和7年)までの化学分野で繰り返し出題されている主要なテーマをまとめます。

この11年間では、「水溶液とイオン(中和・電池・電気分解)」、「化学変化と質量の保存(酸化・燃焼)」、「身のまわりの物質(蒸留・溶解度)」に関する問題が、実験データの分析や計算を伴う形式で頻繁に出題されています。

1. 水溶液とイオン、中和反応

酸・アルカリの性質、中和反応、および電気分解や電池に関する問題は、最も頻出かつ重要なテーマです。

• 中和反応とイオンの数の変化:
◦ 塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜる実験において、液性(酸性・中性・アルカリ性)の変化をpH試験紙や指示薬で確認する問題や、水溶液中のイオンの総数の変化をグラフで選ばせる問題が、2018年、2024年などで詳しく出題されています。
◦ 特に、硫酸と水酸化バリウム水溶液の中和では、水に溶けにくい塩(硫酸バリウム)が生じて沈殿するため、電流が流れなくなる(電流計の値が0になる)現象と、その時のイオンの挙動が2024年に大きく取り上げられています。
◦ 中和の本質が、酸の水素イオン(H+)とアルカリの水酸化物イオン(OH−)が結びついて水(H_2O)ができる反応であることの記述や化学式も頻出です。

• 電気分解と電池:
◦ 水の電気分解(陰極に水素、陽極に酸素が発生、体積比2:1)に関する問題が2016年、2021年などに繰り返し出ています。
◦ 化学電池(ダニエル電池などのモデル)については、金属のイオンになりやすさ(イオン化傾向)の違いにより電子が移動し電流が発生する仕組みや、イオンがセロハン膜を通過する様子が2023年に詳しく出題されています。

2. 化学変化と物質の質量

物質が化合する際の質量の割合や、化学反応式の作成が定番です。

• 酸化と質量の計算:
◦ 銅やマグネシウムを加熱して酸化させる実験において、加熱回数と質量の変化をグラフや表で読み取り、化合した酸素の質量や、未反応の金属の質量を計算させる問題が、2015年、2017年、そして最新の2025年でも出題されています。

• 質量保存の法則:
◦ 密閉容器内で化学変化(塩酸と石灰石など)を起こした際、反応の前後で全体の質量が変わらないことを確認する問題が出ています。

• 有機物の燃焼と化学反応式:
◦ メタン(CH_4)やプロパン(C_3H_8)などの有機物が燃焼すると、二酸化炭素と水が発生すること、およびその化学反応式を書かせる問題が、2019年、2023年、2025年と定期的に出題されています。

3. 身のまわりの物質と状態変化
物質の特定や分離に関する実験操作が問われます。

• 蒸留:
◦ エタノールと水の混合物を加熱し、沸点の違いを利用してエタノールを取り出す実験(蒸留)が、2022年、2024年と近年頻出しています。沸騰石を入れる理由や、蒸気中のエタノール濃度が高いことなどが問われています。

• 溶解度と再結晶:
◦ 溶解度曲線を利用して、温度による溶解度の差が大きい物質(硝酸カリウムなど)を冷却して結晶を取り出す再結晶の計算問題が2019年に出題されています。
◦ 物質を水に溶かしたときの溶質、溶媒、溶液という用語の確認もされています。

• 気体の発生:
◦ アンモニア(塩化アンモニウム+水酸化カルシウム)や水素(金属+酸)などの気体発生方法と、その性質(水への溶けやすさ、液性)を問う問題が2022年、2025年などで確認されています。

平成27年から2025年までの化学分野で、特に繰り返し問われている「核」となる内容は以下の通りです。

1. 「中和滴定」のグラフ読み取り(イオンの数、電流の変化、沈殿の生成)。
2. 「金属の酸化」における質量比の計算(銅:酸素=4:1など)。
3. 「蒸留」(エタノールと水)の実験装置と原理。
4. 「有機物の燃焼」の化学反応式(メタン、プロパン)。
5. 「電池と電気分解」における電極での反応とイオンの移動。