平成27年(2015年)から最新の2025年(令和7年)までの物理分野で繰り返し出題されている主要なテーマをまとめます。

この11年間では、「仕事とエネルギー(滑車・斜面)」、「電流と回路(オームの法則・電力)」、「運動の規則性(台車・記録タイマー)」が三大頻出テーマであり、特に計算問題や実験データのグラフ化を含む出題が繰り返されています。

1. 仕事とエネルギー

「道具を使っても仕事の大きさは変わらない」という原理と、それに関連する計算が最も頻出するテーマの一つです。

• 仕事の原理と滑車:
◦ 動滑車や定滑車、組み合わせ滑車を用いた実験が、2015年、2019年、2025年と繰り返し出題されています。動滑車を使うと「力は半分、距離は2倍」になるが、仕事の大きさ(J)は変わらないという仕事の原理の理解と、仕事率(W)の計算が問われます。
◦ 特に2025年の問題では、複数の滑車を組み合わせた複雑な装置での力のつり合いや仕事の計算が出題されました。

• 力学的エネルギーの保存:
◦ 斜面を下る小球や、振り子の運動を通じて、位置エネルギーと運動エネルギーの移り変わりや保存について問う問題が、2017年、2019年、2022年に出題されています。
◦ 小球の高さと木片の移動距離(仕事)が比例関係にあることをグラフから読み取る問題も頻出です。

2. 電流と電気回路

回路計算と、電流による発熱・電力に関する問題がコンスタントに出題されています。

• オームの法則と抵抗:
◦ 電圧と電流のグラフから抵抗(Omega)を求める問題や、直列回路・並列回路における電流・電圧・抵抗の関係(直列は電流一定、並列は電圧一定など)を計算させる問題が、2016年、2018年、2021年、2023年、2025年と非常に多く出題されています。

• 電力と発熱(ジュール熱):
◦ 電熱線に電流を流した際の水の上昇温度が、電力(W=V×I)や電力量(J)に比例することを利用した計算問題が、2020年、2021年、2024年に出題されています。
◦ 直列・並列回路において、どちらの電球や電熱線の方が明るい(または発熱量が大きい)かを比較考察させる問題も定番です。

3. 運動の規則性

物体の動きを時間的に分析する問題です。

• 記録タイマーと台車の運動:
◦ 台車の運動を記録したテープを切り取り、時間の経過とともに速さがどう変化するか(等速直線運動か加速か)を分析し、グラフ(v-tグラフなど)を作成したり読み取ったりする問題が、2015年、2024年に詳しく出題されています。
◦ 平均の速さ(cm/s)を計算させる問題もセットで出題されます。

• 慣性の法則と作用・反作用:
◦ 物体が運動の様子を変えようとしない性質(慣性)や、2つの台車(磁石など)の間で力が働く際の作用・反作用の法則についての理解が問われています。

4. 音・光・圧力(小問集合での頻出)

大問だけでなく、小問集合(問1など)でも以下のテーマが繰り返されています。

• 音の性質:
◦ モノコードを用いた実験で、弦の長さ、張力(おもりの重さ)と音の高さの関係を問う問題が2024年に出題されています。
◦ オシロスコープの波形から音の大小(振幅)や高さ(振動数)を読み取る問題も過去に出題されています。

• 光の屈折:
◦ 光がガラスや水に入射する際の屈折の道筋(入射角と屈折角の大小関係)を選ばせる問題が、2019年、2020年、2022年と頻出です。

• 圧力と浮力:
◦ 水圧が深さに比例することや、浮力が生じる仕組み(上面と下面の水圧の差)、および浮力と重力の関係(浮く・沈む)を問う問題が、2022年、2023年、2025年と近年増加傾向にあります。

平成27年から2025年までの物理分野で、特に習得しておくべき「核」となる内容は以下の通りです。

1. 「仕事の原理」の理解と、「滑車」を用いた仕事・仕事率の計算。
2. 「オームの法則」と「電力(W)」の計算、および直列・並列回路の性質。
3. 「記録タイマー」のテープ読み取りによる速さの計算とグラフ化。
4. 「光の屈折」の作図ルールと、「浮力・水圧」の関係。