平成30年(2018年)から2025年までの学校選択問題の大問1では、数学の広範な知識が問われますが、その中でも特定のパターンや解法が繰り返し出題されています。

1. 数と式の計算・工夫が必要な「式の値」の代入

大問1の序盤(問1、問2)は、計算能力と式の変形能力を問う問題が固定されています。

• 多項式の計算: 指数や分数を含む文字式の計算は毎年欠かさず出題されています。
• 因数分解や平方完成を利用した代入: x,y に平方根が含まれる値を代入する際、そのまま代入せずに式を変形してから代入する手法が頻出です。例えば、2025年度は x
2
−10x−y
2
+25=(x−5)
2
−y
2
[7]、2024年度は x
2
+3x−y
2
+3y=(x+y)(x−y)+3(x+y) [6]、2021年度は x
2
−2x+y
2
+2y=(x−1)
2
+(y+1)
2
−2 [3] といった工夫が求められます。

2. 置き換えを利用する「2次方程式」

(x+a) などの共通部分を一つの文字(塊)として置換し、計算を簡略化して解く2次方程式が繰り返し出題されています。

• 2024年度は (x−3)
2
−5(x−3)+3=0 [6]、2022年度は 3(x+1)
2
+3(x+1)−1=0 [4]、2019年度は (x+3)
2
=5(x+3)+24 [1] など、展開せずに解くことでミスを防ぐ構成が定着しています。

3. 確率とデータの活用(箱ひげ図とヒストグラム)

確率は「2つのサイコロ」や「玉・カードの取り出し」が定番ですが、近年はデータの分析が非常に重視されています。

• 確率: 2つのサイコロの出目の和や積が、特定の条件(整数、倍数など)を満たす確率を求める問題が継続しています。
• データの読み取り: 箱ひげ図とヒストグラムの対応関係を正しく選ばせる問題や、中央値(メジアン)がどの階級に含まれるかを考えさせる問題が繰り返し登場しています。特に会話文形式で理由を説明させる形式が見られます。

4. 関数(y=ax

2
の変域と直線の性質)

• 変域の問題: x の変域が0をまたぐ場合の y の変域から比例定数 a を求めるなど、グラフの形を正確に把握する力が問われます。
• 平行と交点: 方程式から直線の傾きを読み取り、平行な直線の式を求めたり、y 軸上での交点(切片の一致)を利用して定数を求める問題が頻出です。

5. 図形の計量と性質

• 角度と長さ: 円周角の定理を用いた角度の算出や、中点連結定理・相似比を利用した面積比・線分比の問題が多用されています。
• 立体図形: 円柱や円錐、あるいはそれらを組み合わせた立体の表面積や体積を求める計算も繰り返し出題されています。

6. 会話文を用いた「規則性の発見」

先生と生徒の対話を通して、図形や数字の並びのルールを n を用いた式で表したり、特定の値を求めたりする問題が特徴的です。この形式は読解力と論理的な推論力を同時に試しています。

このように、大問1は単なる計算練習だけでなく、「いかに効率よく解くか」という数学的な工夫と、図表・会話文から情報を正確に抽出する力が繰り返し問われる内容となっています。