2027年度(令和9年度)の入試において、これまでの北辰テストなどの偏差値に基づいた「確約」という仕組みが、明確に「〇〇制度」という名称の新しいシステムに一斉に置き換わるわけではありません。しかし、合否判定の仕組みは「多角的な評価」へと確実にシフトしていくだろう。
「確約」に代わる、あるいはその役割を補う新しい合格の仕組みとして想定されるポイントは以下の通りです。
1. 偏差値一本から「3要素の総合評価」への移行
これまでのような「偏差値さえ基準に届けば合格がほぼ決まる」という仕組みから、以下の3点を中心とした判定へと切り替わる流れが強まっています。
• 内申点(通知表): 中学校での日々の学習成果がより重く見られるようになります。
• 学校独自の入試得点(当日点): 事前の約束ではなく、入試本番でどれだけ得点できるかが合否を左右するようになります。
• 面接や活動実績: 受験生の意欲や中学校時代の活動を直接評価する仕組みです。
これらは、埼玉県が2025年秋に私立高校へ出した「業者模試の結果による確約は不適切」という通知を受けた改善策として挙げられています。
2. 公立高校入試に準じた「新選抜基準」の活用
2027年度から公立高校で導入される「マークシート化」「全員面接」「自己評価資料」といった仕組みは、私立高校の判定基準にも影響を与えます。 私立高校側も、これらの公立入試対策を軸に準備してきた生徒の「総合力」を評価する方向へジワジワとシフトしていくと見られています。そのため、公立入試に向けた多角的な準備そのものが、私立合格のための「新しい仕組みへの対応」となります。
3. 「グレー運用(参考資料としての活用)」の継続
公式な「確約」という言葉や基準表は表舞台から消えていく可能性がありますが、完全に無くなるわけではないという見方もあります。
• 実質的な参考:埼玉の入試文化が急激に変わることは難しいため、公式には明示せずとも、個別相談の場で北辰テストの結果を「参考資料の一つ」として見る「グレー運用」が当面は残る可能性がある。
4. 個別相談による「学校ごとの独自ルール」
2027年度入試には統一された新ルールが存在せず、対応は各私立高校の判断に任されています。 そのため、「確約」に代わる基準として、ある学校では「内申点を最重視する」、別の学校では「当日の入試得点に一定の加点をする」といった、学校独自の選抜ルールがより多様化していくと考えられます。
2027年度以降は、一つの決まった「新しい合格の仕組み」ができるのではなく、「偏差値依存からの脱却」と「内申・当日点・面接のセット評価」への移行が、実質的な新しい合格の形となります。受験生にとっては、説明会や個別相談に足を運び、志望校がどのようなバランスで合否を判定するのかという「個別のルール」を把握することが、かつての確約を得ることに相当する重要なプロセスになります。