北辰テストは第5回から公民が出題されます。

そこで、平成27年~2024年の第5回に絞り込み、公民の出題傾向について分析しました。

資料は主に、特定の回のテストにおける公民的分野の設問および歴史・地理に関連する設問の一部から構成されており、特に**公民的分野**が大きなウェイトを占め、**歴史的分野**(特に戦後史)や**現代社会の特色**に関する問題が頻出していることがわかります。

### 1. 設問形式の傾向

全体として、知識の正確な把握を確認する問題と、特定の語句を用いて説明させる記述問題がバランスよく出題されています。

* **テーマに基づく大問構成:** 多くの回で、公民的分野の学習内容を「班ごとにテーマを決めて調べた」という設定の大問(多くは問5または問6)が出題されています。
* **記述問題(配点高):** 特定のキーワード(漢字3字、漢字4字、カタカナなど)を解答させる問題 や、与えられた語句(例:「物資」「集中」「代表」など)を用いて特定の事象を説明させる問題(5点配点が多い)が頻繁に見られます。
* 例:「特需景気」がおこった理由を、戦争にふれて書く(5点)。
* 例:大日本帝国憲法と日本国憲法の大きな違いを、主権者という点に着目して書く(5点)。
* **正誤の組み合わせ:** 複数の文(X、Y、Zなど)の正誤の組み合わせとして正しいものを選択させる形式も、人権思想の歴史などのテーマで出題されています。
* **年代順の並べ替え:** 歴史上の出来事を年代の古い順に並べ替える問題も出題されます。

### 2. 公民的分野の出題テーマ

公民的分野は、**日本国憲法**、**人権思想の歴史**、**現代社会の特色**の3つの柱を中心に、非常に詳細に問われています。

#### (1) 日本国憲法と政治の仕組み
* **基本原理:** 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つの基本原理に関する出題があります。特に「国民主権」については、大日本帝国憲法との主権者の違いを問う記述問題が頻出しています。
* **三権分立:** 権力の集中を防ぎ、国民の権利や自由を守ることを目的とする三権分立(立法権、行政権、司法権)の考え方が問われています。
* **天皇の地位:** 天皇は政治的権限を持たず、**国事行為**のみを行うこと、および国事行為には内閣の助言と承認が必要である点が問われます。
* **憲法改正:** 憲法改正の慎重な手続き(両議院の総議員の3分の2以上の賛成、国民投票の過半数の賛成)に関する知識が問われています。
* **法の支配:** 憲法によって政府の権力を制限し、国民の人権を保障するという「法の支配」の考え方が問われています。

#### (2) 人権思想の歴史
* **主要な思想家と文書:** ロック、ルソー、モンテスキューといった思想家が主張した概念(人民主権、社会契約論、三権分立など)の対応 や、**アメリカ独立宣言**、**フランス人権宣言**、**ワイマール憲法** の名称や内容が問われます。
* **新しい人権/社会権:** 1919年にドイツで制定されたワイマール憲法において、人間らしい豊かな生活を保障する**社会権**が明記されたことが重要視されています。

#### (3) 現代社会の特色
* **家族構成の変化:** 祖父母と親と子で構成される三世代世帯の割合が減り、**核家族**世帯(夫婦のみ、夫婦と子ども、ひとり親と子どもなど)や**単独世帯**の割合が増えている傾向がグラフや記述で問われます。
* **情報化・グローバル化:**
* **グローバル化**(多くの人、お金、情報などが国境を越えて世界中を行き来し、世界の一体化が進むこと)の定義。
* **情報リテラシー**(情報を適切に選択し、正しく活用する力) や、情報モラル、AI(人工知能)など情報社会で求められる能力や技術に関する知識。
* **意思決定と正義:** 全員が納得できる解決策をつくるために、**効率**(お金や時間などの無駄を省く)と**公正**(一人ひとりに配慮し、不当に扱わない)の面から考えることが重要であるという概念が問われています。また、多数決と全会一致の特徴比較も出題されています。
* **持続可能な社会:** 環境を保全しつつ経済を発展させ、現在と将来の世代の幸福を両立させる「**持続可能性**」という視点も求められています。

### 3. 歴史的分野の出題テーマ

歴史的分野は、**戦後史(年表Eの時期)**に特に焦点を当てた出題が多く見られます。

* **戦後復興と国際社会復帰:**
* **特需景気:** 1950年代前半に朝鮮戦争がおこったことにより、日本が**物資**の供給地となり経済が好景気になった経緯が問われます。
* **戦後のできごと(年代順):** サンフランシスコ平和条約締結(翌年主権回復)、日本の国際連合への加盟、日米安全保障条約の改定反対運動、沖縄の日本復帰など、重要な出来事の年代順の整理が求められます。
* **日本の防衛体制:** GHQの指令によりつくられた警察予備隊が、次第に**自衛隊**へと強化・改組された流れが問われています。
* **太平洋戦争末期:** 東京などの都市への空襲、沖縄戦、そして1945年8月6日の**広島**、8月9日の**長崎**への原子爆弾投下など、戦争末期の出来事が問われます。
* **日中戦争関連:** 盧溝橋での武力衝突が日中戦争のきっかけとなったことや、その直前の中国国内での国民政府と共産党の**内戦が停止**した出来事(西安事件)についても問われています。

### 4. 地理的分野の出題テーマ

地理的分野は、特定地域の特色や基本的な地理技能が問われます。

* **時刻の計算:** 標準時子午線(西経150度)を指定されたハワイと日本の時差計算(サマータイムは考慮しない)が問われています。
* **日本の地域特色:**
* 長崎県の**出島**におけるオランダや中国との貿易(鎖国)に関する知識。
* 大阪府の「天下の台所」としての特色。
* 奈良(平城京) や、水俣市での公害問題(熊本県)など、特定の都道府県や都市の歴史的・現代的な特色が問われています。
* 隣接する都道府県名(例:長野県と接する県)を地図から読み取る問題も出題されます。