平成28年から令和7年の化学では、実験に基づいた化学変化の仕組み、質量の計算、水溶液の性質に関する内容が繰り返し出題されています。

1. 中和反応とイオン

酸とアルカリの反応については、図や表を用いた考察問題が非常に多く見られます。

• BTB溶液の色変化: 塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えていく実験などで、BTB溶液の色(黄色→緑色→青色)の変化と、その時の水溶液中のイオンの種類の変化が頻出しています。
• 中和の計算とグラフ: 加えた水溶液の量と発生した沈殿の質量の関係をグラフから読み取ったり、計算したりする問題が定番です。
• 塩(えん)の性質: 反応によって生じる塩(硫酸バリウムの白い沈殿など)の性質や、電流が流れるかどうかの確認も問われています。

2. 化学変化と質量(定比例の法則・質量保存の法則)

物質が反応する際の質量の割合に関する計算問題は、ほぼ毎年出題されています。

• 金属の酸化: 銅やマグネシウムを加熱した際の質量の変化から、金属と酸素が結びつく質量の比(銅:酸素=4:1など)を求める問題が代表的です。
• 質量保存の法則: 化学変化の前後で物質全体の質量が変わらないことを確認する実験が繰り返し登場します。
• 酸化銅の還元: 酸化銅と炭素粉末を混ぜて加熱し、二酸化炭素が発生して銅が取り出される反応についての計算や化学反応式がよく問われます。

3. 物質の性質と密度

物質を特定するための基本的な性質や、数値計算が重視されています。

• 密度の計算と比較: 質量と体積から密度を計算し、水やエタノールに浮くか沈むかを判断させる問題が頻出しています。
• プラスチックの性質: ポリエチレンやポリスチレンなど、種類による密度の違いや燃え方の違いが取り上げられています。
• 気体の発生と性質: アンモニア(水への溶けやすさ)、二酸化炭素(石灰水の白濁)、水素の発生方法や性質を確認する実験が繰り返し出題されています。

4. 電池と電気分解

電気エネルギーと化学エネルギーの変換に関する理解が問われます。

• 水の電気分解: 水に電流を流した際に発生する水素と酸素の体積比(2:1)や、その化学反応式が重要です。
• 化学電池の仕組み: 異なる2種類の金属と電解質(食塩水やうすい塩酸)を用いた電池の仕組み、電子の流れやイオンの動きについての考察が頻出しています。
• ダニエル電池や燃料電池: 近年、これら新しいタイプの電池の仕組みについても詳しく問われる傾向があります。

5. 原子・分子と化学反応式

• モデル図と反応式: 原子や分子のモデルを用いて化学変化を表したり、化学反応式を完成させる問題が基礎として定着しています。
• 原子の構造: 原子核(陽子・中性子)と電子の配置など、ミクロな視点からの問いも見られます。

これらの内容は、単なる知識の再生ではなく、**「実験結果の表やグラフから法則性を見つけ出し、計算や説明を行う」**形式で繰り返し問われているのが特徴です。